深く眠れない夜

 床に就く前に一瞬の小さな興奮が脳内を走る。交感神経が蠢く。すると、もう眠れなくなる。目を閉じて、気持ちを穏やかにと念じても、もはやコントロールできない。時間が過ぎると、さすがに少し疲れてきて、うつらうつらする。すると悪夢のドラマが始まる。横たわった体は、ある程度、疲労がとれていくが、意識はまるで薄明かりの小さな切れかかった電球だ。

 2時間ほど過ぎると、おしっこがしたくなる。トイレに立つ。意識は朦朧。床に戻り眠らせてくださいと祈る。ちょっと穏やかな気分になり、しだいに薄い眠りがやってくる。すると、またドラマの続きが始まる。

 何回か繰り返し、朝が来て、もう起きなければ仕方のない時となる。ぼんやりとした目で布団を出る。寝た気がしない。